はこだて自然倶楽部~続・風を追って〜

函館から発信!登山、自然、観光情報、市民活動のBLOGです。It's sent from Hakodate!

2007年06月

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7

イメージ 8

イメージ 9

  このところ、登山道路(以下、登路」)の維持管理の方法、つまり下草刈り、笹刈による弊害が
  気になり始めてきた。
  笹を刈ること自体は登路を利用する方の安全を確保したり、植物関連の有識者によっては植生の
  攪乱によって新しい植物の侵入や群落の拡大が図られると、歓迎する考え方があるが、果たして
  どうだろうか?
  
  僕が懸念するのは笹だけを刈るのではなくて秋に実を付けて登山者を魅了する草本や登路の脇を根  
  固(がため)している下草も同時に刈ってしまうことによる弊害を問題視したい。
  
  たとえば、この写真にあるとおり、マイズルソウなどはこれから、結実して赤い実をいっぱい
  着ける。そして多年草で細い地下茎で地面を支えながら登路の脇を飾っている。
  それは、あたかも登山道を守っているかのようにも見える。
   さらに、恵山ではマイズルソウの群生場所で地表を覗くと地衣類の地衣類(苔)たちが地表を覆  
  い、植物の茎を真綿で包むように地表を優占していた。
   その場所は恵山の森林形成の遷移が進んでいる地域であった。

   植生の専門家でないのでご教示乞いたいが、全ての箇所とは云わない、
  一部の登路の崩壊を助長しているのが実は下草刈りの技法によるものも起因しているのでは
  無いか、という気がしている。
  
   つまり、登路脇を押さえてきた多年草を刈ることで、散策者の踏み込みもし易く、踏み着けから
  の回復力がおそくなり、かつ表土が乾燥し踏み圧と雨裂による表土の破壊が進行し
  表土も流亡していくのではないだろうか。今後も観察し調査していきたい。
   ご意見があればなんなりとお願いします。

  サムネイル写真の紹介です。
・大千軒新道コースのマイズルソウ、ヒメタケシマランなどの下草刈り跡(道有林管理)
・オロフレ山の刈り取られたハクサンボウフウ、右手前 (国有林管理)
・オロフレ山の刈り取られたサンカヨウ
・千軒岳、中千軒コースで刈り取られたハクサンチドリ(勢い余ってか?)
・美利河丸山の登路脇はマイズルソウ、ツルアジサイ等の下草のジュータンが残されている。
  (道有林管理)
・美利河丸山のマイズルソウ(地表を守る掛布とんのよう)
・下草に守られたアカイタヤの幼木
・笹を刈り払った空間跡に侵入した?ツマトリソウ
・恵山、椴法華コース、斜面のマイズルソウ群落と地表の地衣類
  (国有林管理)


  

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7

イメージ 8

イメージ 9

イメージ 10

  今金町にある奥美利河生活環境保全林は奥美利河温泉、遊歩道、
  そして丸山がある。以前にも紹介したが、ブナの森が残されて林床の植物が
  豊富で訪れる人を魅了する。

  癒しの宿、あさひサンを後にした僕たちはドンヨリ曇り空のなかR230を
  南下して予定も写万部山から丸山へ変更。15時から雨マークと・・眺望より
  も森林の花をお目当てにすることにして一路、今金へ向かった。
    
  登路は奥美利河、山の家、ピリカベツ川の右岸に沿って50mほど左に
  登山口の標識がある。あとは北東から北へ延びる尾根に刈り払った路を辿る
  だけである。頂上まで1.5時間、急登の後に適度な平坦路が現れるので
  ゆっくり休みながら登れるのがいい。ヒグマもいるので単独行は避けたい。

  下山後の温泉はこの奥美利河温泉も良いが、内風呂が狭く、開放感万点の
  露天風呂が混浴でお湯も低温、恥ずかしがり屋の奥方のことも配慮して
  濁川の温泉によることにした。
  混浴漕、露天風呂の改善については別の機会にお話ししたいが、この温泉
  (今金町運営)のように山の家から女性が入浴しているのが丸見えとなれば、
  好色男の指定宿泊施設と化す・・・?
  せめて、奥に女風呂を配し浴槽の衝立を改善するなどの改善を図られたら
  いかがと感じるが・・。
  
  
  サムネイル写真の紹介です。
・山の家(宿泊施設、食堂有り5月~10/Eまで開業)
・斜面のミズナラ巨樹
・ギンリョウソウ(ユウレイタケ)
・カタクリの実が弾けたところ・・。右はこれから・・
・ツルアジサイ、ノキシノブをまとったブナ
・丸山のブナ大王前で
・稜線のエゾイブキトラノオ
・エゾノユズリハの新葉がきれい・・
・ツマトリソウ
・奥美利河温泉、山の家から・・
 (手前、女性露天風呂ー女性が出入りする姿、奥泉源、男側露天風呂からはバッチリ鑑賞できる)
  PS*露天風呂は水着着用可だそうです。


  

  
  

  
  

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7

イメージ 8

イメージ 9

イメージ 10

イメージ 11

 オロフレの林床、稜線を飾る植物たちはいつも活き活きとしています。
 たくさんの人に見られているからでしょうか。

 サムネイル写真の紹介です。
・憩いの広場から後方に本峰
・タケシマラン、コモチミミコウモリ(カニコウモリみたい)
・クマの好物、ハクサンボウフウ
・コイワカガミ
・ミネヤナギの綿毛
・マイズルソウ(白)、ベニバナイチヤクソウ
・ミヤマダイコンソウ(絶品ですね)と右上、ミヤマキヌタソウ
・ハイオトギリ(全山を飾る。開花7/初旬~)
・ヨツバシオガマ、今回の彩りの主役?
・オガラバナ(ホザキカエデ)
・頂上付近のウコンウツギ

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

イメージ 6

イメージ 7

イメージ 8

 北海道にも温泉街に近く気軽に登れる山は多い。
 オロフレ山は登別温泉、壮瞥、ばんけい、北湯沢、カルルス温泉、そして
 洞爺湖温泉に近く、登り2時間程で頂上へ着くので登山者やハイカーにとっては
 手頃な山である。6月15日頃には登山口までのゲートも開けられシラネアオイ等の
 見事な群落を観にたくさんの人が週末になると山を賑わす。
 本州からの登山ツアーもこの時期からオロフレ山とアポイ岳などをセットに催行され
 足慣らしの山としても有名で、登山道も整備され憩いの広場までは歩きやすい。

 今回は初日、写万部山、二日目、オロフレ山と組んでいたが、低気圧の接近で初日にオロフレ
 からの大展望を観ることに集合時点で決めた。
 山旅は天候などを勘案し状況判断のうえ即断することが大切である。

 峠の駐車場に到着して登山届けを書こうにも空欄が無く、仕方なく裏に記す。
 それほど登山者が多い山である。この日は7組のパーテーが入っていたが、結局登山届けを
 書いたのは僕らのパーテーだけであった。

 登山口から刈払いの跡が真新しく、またまた、嫌なシーンを観る羽目になるのかと、
 皆で危惧しながら登り始めたが、羅漢岩手前から始まるノウゴウイチゴ、ヨツガシオガマ、
 コイワカガミ、ハクサンボウフウ、エジカラマツなどの群落に心が和やかになってきたようだ。

 憩いの広場で一休み。いよいよ、目前に急な尾根を持つオロフレ山が壁のように立っている。
 さあ、急登の始まり・・ベニバナイチヤクソウ、ミヤマダイコンソウ、ハクサンチドリ、
 ヨツバシオガマ、エゾゼンテイカ、エゾグンナイフウロ、ウコンウツギ、ハクサンボウフウ等
 が絶え間なく斜面、登路の袖を飾っているので疲れも何処かへいってしまう。

 石が積重なった急斜面を何回か乗り越えていくと頂上広場に到着。期待していた大展望が待って
 いた。北に羊蹄山、尻別岳。北東に、徳舜瞥岳、ホロホロ山。東に樽前山、不風死岳と恵庭岳、
 南に室蘭岳などが青空をバックに見えている・・。さあ、美味しいご飯にしよう。
 この日のランチタイム&撮影タイムがいつもより長かったのは云うまでもない・・。

 サムネイル写真の紹介です。
・オロフレ峠登山口
・ヨツバシオガマが登路袖をピンクに飾る。
・みんな奇麗だ・・。
・羅漢岩をバックに。
・登山道傍はとにかくお花で一杯・・。
・さあ頂上。
・遠くに右、樽前山、峰続きで不風死岳
・目の前にピラミダルな左、徳舜瞥山。峰続きで中、ホロホロ山、左、1260m峰。
 眼下の斜面にはエゾゼンテイカ等が点々と咲いて彩りを添えていた。

イメージ 1

イメージ 2

イメージ 3

イメージ 4

イメージ 5

先ほどオロフレ山を降りて、宿へつきました。カラマツソウ、シオガマ、ウコンウツギ、オガラバナなどコースを飾り、見頃でした。洞爺湖は週の中場なので静かな雰囲気です。さ~てと汗を流しに 露天風呂へ参りましょうか…。

      北海道洞爺湖温泉 癒しの宿「あさひ」
        http://www.asahi-hotel.com/

イメージ 1

イメージ 2

  今日の函館は爽やかな青空が広がっています。空気も乾燥してうだるような
  暑さではありません。市水道局の方によると晴天続きの函館地方ですが飲み水
  は大丈夫だそうです。今後も7月は平年より少し多雨。八月は多雨の予報となり
  四国地方の水危機のようにはならないようです。安心しました・・・。
  
  参議院選挙も7/29にきまり投票に行くつもりの方が70%近くいるそうです。
  いまや、我が国は歴史の曲がり角、一票の重さが問われる選挙ですね。

  一票の重さと言えば、山に咲く可憐な花が無くなる盗掘の問題があります。
  以前からこのBlogでも紹介しておりますが、昔はたくさん咲いていた花が
  いまや、数株しかなくなると絶滅になります。踏みつけや盗掘をした登山者
  各人の失念が絶滅につながるわけです。一株になると国宝級と云っても良い
  でしょう。

  先ほど、恵山の山を愛するSさんがお見えになり岬展望のあたりでコケモモを
  盗っている50代の女性登山者を発見したが、逃げられた。と嘆いていました。
  恵山は道立自然公園にあり採取は禁止行為で法的処置がとられます。
  彼女が腕章を着けていたのを遠くから見て逃げたのでしょう。
  服装は山ウエア、ブランドリュックがバッチリの格好の良い淑女に見えたそうです・・・。
  
  盗みを働いた側も、、たくさんあるから、、という具合かも知れませんが、それが
  山の植物が無くなる第一歩になりますね。
  
  今や恵山では頂稜付近に群生していたコイワカガミは数株しか見られなくなってしま
  いました。
  恵山区域の他の場所には未だ群落が少し残っていますが本峰では狭い地域しか有りませ
  んでしたのでとても残念です。いまや、道南のコイワカガミは恵山区域にしか無い、と
  いっても過言ではないでしょう。

 
  サムネイル写真の紹介です。
・ガンコウランの群生地に咲くコイワカガミ
・なかまが盗掘に遭いながらも残ったコイワカガミの株(写真上右が盗掘痕)
 
  北海道レッドリスト:コイワカガミ 希少種(R)

*その後の動き:
・早速、今朝6/27から北海道が現地へ赴き実態把握と対策に動き始めしました。
・その後、早速、口頭で結果と対処の連絡がありました。盗掘防止へ一歩前進する内容でした。
 なお、本件は道庁、関係機関へも報告されます。
・7/5北海道から合同見分の要請があり函館市、恵山、椴法華支所と近々に山域の盗掘防止にむけ
 現地見分を行います。
 
 

  

  



  

このページのトップヘ